今日は、いつもと違う路線で私の体験を紹介したい。

(出典)一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ ホームページ
先日、東京都港区にある「ダイアログ・ダイバーシティミュージアム」に行き、「対話の森」というイベントに参加してきた。このイベントでは、光が一切ない暗闇の中で、白杖を片手に、視覚に頼らず行動する体験をすることができる。参加したきっかけは、職場の上司が外部研修として参加することを提案し、職員で参加することになったことだ。
私はこのイベントに参加するにあたって、大きな不安感があった。なぜなら、暗闇の中で行動することに対して、ネガティブなイメージがあったからだ。具体的には、孤独、自分とのたたかい、不自由といったイメージである。
そんな後ろ向きな感情を抱きつつ、イベントに参加することになった。参加者は自分を含め9人。職場の同僚のほかに、初対面の方が2人参加し、視覚障害のある案内役のスタッフが1人同伴した。イベントが開始するにあたって、まずはイベントの説明をしてもらい、参加者が呼んでほしい名前を発表しあった。ほとんどの人が、「~ちゃん」などの親しみやすいあだ名を設定していた。

(出典)ChatGPT生成
その後、ランタンによって少し灯りのあった空間は、「3、2、1」というカウントとともに真っ暗になった。そして、スタッフの案内とともに前に進んでいった。正直なところ、「目が慣れてくれば次第に周囲も見えてくるのではないか」という期待もあった。しかし、正真正銘の真っ暗闇を前に、その期待は消え去っていった。

(出典)ChatGPT生成
暗闇に怯えていた私は、まずは深呼吸をし、心身を整えた。その後、白杖で辺りを探りながら、少しずつ前に進んだ。「コツンコツン」と周りの何かに当たり、時々「すみません」という声が聞こえた。9人で移動していたのだから、当たるのは当然のことだ。次第に、「誰ですか?」や「ここ段差あります」といった声がメンバー間で響き合った。普段はしないような声がけも、今回は前に進むための重要な鍵となった。私自身も、黙っていてはどうしようもないので、声を出し、メンバーと情報を交換し続けた。

(出典)ChatGPT生成
真っ暗闇で何も見えない世界。最初はとっても不安だった。しかし、声を掛け合ううちに、少しずつ安心感が芽生えていった。なぜなら、目には見えないけれど確かに存在する目の前の人を認識し、その人たちとのつながりに、心の底から安心したからだ。
この時、明確には表現できないが、私の心の中の壁がほぐれ、心の戸が開かれたような気がした。そう、それまでの私は、知らず知らずのうちに他者との間に、必要以上の壁を築いていたのである。
ここで、心を開くことについて考察したい。「心を開くことは大事」という言葉は、昔から何度も聞いてきた。しかし、心を開くと傷つきやすくなる自分がいて、怖かった。実際に嫌な思いをしてきたこともたくさんあり、その経験が地層のように重なって、今の心の壁が出来上がったのだと思う。それが、どうして今回ほぐれていったのか。
私が思うに、暗闇という空間と、「一人では生きていけない」という状況が、内的な変化を促したのではないかと考える。一人ではどうしようもないので、他者を信じ、頼る。そうすることで、気づいた時には勝手に心の戸が開かれていたのだ。
心の戸を開くことの反対に、「閉ざす」ということがある。この状況下では、人は自分一人でも生きていけると、無意識に思ってしまうことが多いだろう。だけど、人間は本質的には、人と助け合っていかないと生きていけない。そのことは、人類の歴史や、人間の身体の仕組みからも考えることができる。

(出典)ChatGPT生成
例えば、人類史を振り返ると、人類は集団を築きながら生き延びてきた。また、人間には幸福感や人とのつながりに関係する脳内物質も存在する。これらのことからも、人間が生きていく上で、他者とのつながりが重要であることがわかる。
そんなこんなで、今回のイベントを通し、私は人とのつながりの重要性を再認識することになった。この他にも、このイベントに参加して自分の視座を変える気づきはいくつかあった。

(出典)ChatGPT生成
例えば、私が普段いかに視覚に頼っているかということである。これは多くの人に言えることではないかと思う。暗闇の中で私は、嗅覚や聴覚などの他の感覚をフル活用し、視覚以外の感覚をいつも以上に使った。その際に、視覚以外の感覚が持つ力を再認識した。そのことを踏まえ、今後は視覚を含め、他の感覚も大切にし、ちょっとだけ使う割合を変えていけたらと思う。例えば、目を瞑り、音に耳を澄ませてみるとか。
以上が、私がイベントに参加した所感である。詳細についてはネタバレとなるので、ここでは控えたい。私が参加した会のテーマは、戦時中の広島にタイムスリップするというものであり、現代と当時の両方の世界を体験した。「ダイアログ・ダイバーシティミュージアム」では、このほかにも、運動会などのテーマに置き換えつつ、視覚に頼らない世界を体験するイベントを開催することもあるという。これを読んで「良いな」と思った人は、ぜひ参加してみてほしい。リンクは下記に載せておく。
なお、この記事は宣伝が目的ではない。私が心の底から「いいな」と思ったので紹介している。これからも損得に関係なく、私が本質的に「いいな」と感じたものを、みなさんに紹介していけたらと思う。
では。
<対話の森に興味のある方はこちらまで>
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