伊勢うどんってなんだ

(画像出典)ChatGPT生成

 スーパーの麺コーナーでたまたま見つけた商品、「伊勢うどん」。見た目は他のうどんと変わらないけれど、少し贅沢そうな雰囲気があった。伊勢という文字を目にすると、伊勢海老や伊勢神宮といった、「伊勢ブランド」という箔がついたイメージを想起する。そのことから、「きっと、伊勢うどんも一味違った何かがあるんじゃないか」と思い、購入することにした。さらに、パッケージを見てみると、大名行列のような絵が描かれていて、もしかしたら参勤交代や将軍様に納める献上品のような一級品だったのではないかと思った。

 早速家に帰ると、シャカシャカポン(過去の記事「シャカシャカポン」を参照)を片手に、「伊勢うどん」という名前の由来を調べることにした。調べてみると、どうやら伊勢うどんは献上品ではなく、伊勢参りに来た参拝者たちが食べるような、庶民的な食であったことがわかった。もともとは、伊勢市の農家が稲の裏作として小麦を育てていたこともあって、うどんが食べられるようになったという。その起源は江戸時代にまで遡る。

 何となく手に取ったうどんが、こんなにも歴史の詰まった食べ物だったとは、思いもしなかった。実食する際には、当時の参拝者の人たちの気持ちになりながら、味わっていこうと思った。

 下調べを終えると、昼前とちょうどいい時間だったので、調理に入った。まずは、たっぷりのお湯を沸かし、うどんを茹でた。それに合わせて、トッピングとなる刻んだネギと鰹節、冷凍のマグロを用意した。味付けは付属のたまり醤油である。醤油に関しては、水で薄めるのではなく、そのままの状態でうどんにかけて食べるのが主流だそうだ。

 いざ完成したので、実食に移った。まずは一口。食感は柔らかく、麺は太めであった。元々、稲庭うどんのような細くてコシのある麺が好きな私は、「美味しくいただけるのだろうか」という疑念を持っていた。

 しかし、食べてみると、その考えは吹き飛んだ。柔らかいはずなのに存在感があって、つるっといただけるのが、とても不思議だった。たまり醤油もちょうどいい味わいで、市販のものを使ってみて正解だった。もちろん、トッピングとの相性も抜群であった。ごちそうさまでした。

 高級感のある名前に惹かれて買った伊勢うどんであったが、そのブランドにも負けないくらいの味わいであった。これを機に、私の麺の好みもアップデートされ、楽しみも幅広くなったことであろう。今度食べるときは、柑橘類を絞ったり、卵を落としたりして、アレンジを楽しみたい。

 いま思うと、参拝者の気持ちになることは、すっかり忘れていた。しかし、参拝者に親しまれていた理由は分かった気がする。もちろん、参拝の記念という意味合いもあっただろう。しかし、それだけでなく、食べ応えがありながらもツルッといけるうどんが、たくさん歩いて疲れていた人たちには、ちょうど良い塩梅だったのではないかと思う。もしもっと重ければ、歩くのに疲れるし、あっさりしていれば、満足感はないし、といった具合である。

 このほかにも、面白そうなご当地うどんがあれば、ぜひ試してみたいし、その背景を知って、思いを馳せるのも楽しいだろう。もしおすすめのご当地うどんや、その食べ方があれば、ぜひコメントまで。

 では。

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